EDM、テクノ、ハウス等の違い?

EDM、テクノ、ハウス等の違い?

EDM、テクノ、エレクトロ等の違いについて

クラブミュージックを聞いていて分かりにくいのが、エレクトロ、トランス、テクノ、ハウスと言った音楽ジャンルの違い。その違いについてまとめてみました。

 

歴史が違う

まず、テクノやエレクトロといったジャンルの違いは音楽が生まれた時期や場所に由来します。

例えば、一番違いが分かりにくいエレクトロやハウス、テクノは順にニューヨーク・デトロイト、シカゴ、デトロイトで生まれた音楽です。これらの音楽の違いが分かりにくい理由として、元となった音楽ジャンルが似ているというのがあります。

 

具体的にはエレクトロはエレクトロニック、エレクトロポップ、ファンクやヒップホップ、ディスコの音楽を元とし、ハウスはディスコ、エレクトロなどを元とし、テクノはハウス、エレクトロなどを元としています。

 

これらを見て分かるように新しい音楽ジャンルは過去の音楽の影響を受け、それらの要素を含んでいるのです。
だから、アーティストによってはハウスやテクノを聞いていて、エレクトロと似ているなあと感じるのは当然だったりもします。

EDMって何?

さて、ここまで聞くと近年流行っているEDMがどんなものかつかめてきたのではないでしょうか。

 

EDMという言葉自体はアメリカの音楽業界が2000年代に発達したアメリカの商業エレクトロニックミュージックを名指して採用したのが始まりです。

 

EDMの由来はエレクトロニカにあると言われ、現在のEDMのようなジャンルとしての形になってきたのは2006年頃のようです。このころから、それまでのエレクトロニカと新しい世代の音楽の融合が起こり出します。

 

2009年頃、David Guettaがメインストリームのアーティストである歌手やヒップホップアーティストなどの曲をミックスし、When Love Takes OverやI Gotta Feelingなどに代表される曲をリリースし、人気を博します。YoutubeやSoundCloudなどの新しいメディアの登場も手伝い、今までクラブに行かなかった層の若者にも聞かれるようになりEDMはブームになります。

When Love Takes Over(Kelly Rowlandをミックス)

I Gotta Feeling(Black Eyed Peasをミックス)

 

それまで、クラブに行く人だけが聴く音楽だったエレクトロニカが、ポップミュージックと融合することでより一般化なEDMに変化したのです。ポップミュージックにはヒップホップやR&B等もありますから、ある意味、EDMはハウス、ダブステップ、トランス等といったエレクトロニックミュージックだけでなく、ヒップホップやR&Bなども含んだ総合的なクラブミュージックとも言えるでしょう。

"商業ミュージック"EDMに対する批判

クラブミュージックを大衆化した功績のあるEDMですが、伝統的なDJや実力派のDJなどからはしばしば批判されます。
その理由として、EDMを掛けるDJは「ボタン1つDJ」であるという主張があります。ポップアーティストとのミックス曲をiPodに入れて、再生しているだけでDJの実力は問われないのがEDMであるとの主張です。大衆化した音楽の宿命で、レコーディングでオートチューンを使うアーティストがコアな音楽ファンから批判されるのと似ていますね。アメリカのSNL(Saturday Night Live)でもパロディーされています。

 


EDM好きの皆さんならDavvinciiが誰か分かるはずw

音楽が違う

ここまでの説明を読んで頂ければ、ほとんどの方のもやもやは晴れだしてきていると思いますが、いかがでしょうか。
歴史的に、過去の音楽ジャンルを受けているので、どの音楽も少なからず他ジャンルの影響を受けている。
でも、違いがないかというとそうではありません。微妙な違いのものもありますが、リズムやテンポなどに違いがあるのです。

音楽ジャンル

テンポ、BPM

リズム

使用楽器

Drum and bass

(ドラムンベース)

150-180

2/4、4/4

シンセサイザー、ドラムマシン、シーケンサー、キーボード、サンプラー

Dubstep(ダブステップ)

138-142

シンコペーションを良く用いる

シーケンサー、ターンテーブル、サンプラー、ドラムマシン、シンセサイザー、キーボード

EDM

128前後

4/4

サンプラー、シーケンサー、シンセサイザー、ターンテーブル、キーボード、ヴォコーダー

Electro(エレクトロ)

110-150

 

シンセサイザー、ドラムマシン、ヴォコーダー、サンプラー

House(ハウス)

120-130

4/4

サンプラー、シーケンサー、シンセサイザー、ターンテーブル、キーボード

Techno(テクノ)

120-150

4/4

シンセサイザー、キーボード、サンプラー、ドラムマシン、シーケンサー

Trance(トランス)

130-150

4/4

シンセサイザー、キーボード、ドラムマシン、シーケンサー、サンプラー

BPMというのはBeatsPerMinuteの略で1分間にある拍の数を言います。これが大きいとテンポの速い曲になります。リズムの4/4というのは1小節に4拍あるリズムを言います(いわゆる4つ打ち)。シンコペーションとは拍節の強拍と弱拍のパターンを変えるテクニックを言います。
それでは、ここから各ジャンルの音楽例をあげましょう。

Drum and Bass、DnB

BPMが早く高速で複雑。90年代にイギリスで誕生。

Dubstep(ダブステップ)

ハウスから派生した音楽で、90年代後半にイギリスで誕生。重低音と独特のリズムに特徴

EDM

ポップスとハウスやテクノ等の要素等を含む総合的な音楽。BPMは128が多い。

Electro

80年代前半のヨーロッパやアメリカ、日本で生まれた音楽ジャンル。通常ヴォーカルは曲に入らない。リズムは割と自由。

House(ハウス)

ハウスミュージックの歴史というビデオがあったので、こちらをご覧下さい。シカゴ発のソウルフルな音楽で、メロディアス。
ハウスというのは80年代にシカゴに存在したゲイクラブ「ウェアハウス」が語源です。

Techno(テクノ)

80年代のデトロイトで誕生。低音域は弱い傾向で、短い小節のリピートを多用する。

Trance(トランス)

90年代のドイツで誕生。テンポが速い

終わりに

いかがでしたでしょうか、分かりにくかったテクノやハウス、EDMの違いが何となく分かって頂けたのではないでしょうか。
重要なのは音楽ジャンルに縛られず、聞いてみる事だと思います。テクノやハウスの中でもさらに細分化しており、違うジャンル同士がオーバーラップすることもしばしばあります。アーティストによって大きく印象が異なる同ジャンルの曲もあります。
ジャンルはあくまでもジャンルです、目安程度でしかありません。実際に1曲、1曲を聴いて自分の耳で判断して善し悪しを決めることがクラブミュージックを長く楽しむ秘訣だと思います。

リンク集

各ジャンルについての相関関係がよく分かる(英語)

<参考>
以下のページを参考にこの記事を作成致しました。
Wikipedia

DJ Magazine




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